望遠鏡(18"UC)の導入装置のチェック
2010-05-16


この週末は新月なので、昨晩(5/15)は、ダメもとで近所の「きのこ山」に出かけてみた。ほしぞら予報では「夜半までは晴れ」になっていたものの、日没にかけて雲がどんどん厚くなってきた。PM 8時まで待ったが、風も強くなってきたので、引き上げた。

前回(5/8)及び前々回の観望の時に、導入装置(Argo Navis)の精度が出ていないことがわかった。高度エンコーダの数字の進み方が一様でないようだったが、暗かったこともあり、解決することができなかった。今日(5/16)は、空模様からも、観望は無理のようなので、明るいところでチェックすることにした。

望遠鏡(Obsession 18"UC)を組み立てて、エンコーダーまわりもセットした。
Argo NavisをEncoderモードにして、鏡筒の角度を変えつつ、エンコーダーの数値を確認した。方位軸は全く問題なしだったが、高度軸は、鏡筒を低くしていくと、47度あたりで数字が止まってしまっていた。このUltra Compactタイプのドブソニアン望遠鏡では、耳軸に相当するのは、円周の1/3くらいの円弧状の部品になっていて、円の中心に当たるところは全くの空間になっている。そこで、アーム状の部品(2枚)をベースプレートとミラーボックスに取り付けて、中心軸に当たる位置で交差させ、そこにエンコーダーを設置している。この2本のアームの取り付けがうまくいっていないことがわかった。

以前、中心軸の結合がゆるく(エンコーダー軸が、受け金具に完全に差し込まれていなかった)、低精度になったことがあったが、今回は、ベースプレート側のアームの取り付けに問題があった。ベースプレート側のアームの取り付けネジが通る穴は、大きめになっていて、アームの位置の微調整ができるようになっている。今回は、正しく無い位置でネジを締めて固定していたようだ。これまで、アームの止めネジは、鏡筒を垂直に向けた状態で固定していた。でも、アームの取り付け位置には自由度が大きく、微妙にずれた位置でも固定できてしまう。鏡筒の角度を大きく動かした場合にもエンコーダーの動きが妨げられないように、「角度を動かしてから」固定する必要があるようだ。完全に固定しない状態で鏡筒を何度か動かしておくと、「正しい位置」に収まるようだ。この点を配慮した(下記(4))新しい取り付け手順をまとめておく。

1) ミラーボックス側のアーム(エンコーダーが付いている方)を、側面に記された線にあわせて固定する(ネジを完全に締める)。
2) ベースプレート側のアームを、アーム上の固定金具をエンコーダー中心軸に差し込んでから、ベースプレート側への取り付ける。取り付けネジはゆめたままにする。
3) エンコーダー中心軸の固定金具の、固定ネジをしっかり締める。
4) 鏡筒を、垂直位置から水平近くまでまで動かし、エンコーダーがスムースに動くことを確認する。できれば、エンコーダーの配線もつなぎ、Argo Navisで実際に数値が正しく増減することを確認する。
5) ベースプレート側のアーム取り付けネジを締める。

エンコーダー自体の不具合なども覚悟していたが、ちょっとした取り付け方の問題で、本当によかった。次の観望では、どんどん導入して、たくさんの対象を見てみたいものだ。
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